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第5回 「データ解析」


前回お話ししたような定量化がうまくいってデータが集まりだすと、次に問題になるのは、このデータをどう処理するかという点です。

大量のデータを前にして途方にくれた経験をされた方も多いのではないかと思います。

 

実際のところ、要因と結果が1対1に結びついているようなケースを除き、多くのデータ間の関係を一目見て判断できるのは、ごく一部の(おそらく天才とよばれるような)人だけです。

このような場合に必要になるのが様々な統計処理などのデータ解析手法で、多くのデータ間の関係性の有無や関係の強さを見える化する必要があります。

統計処理というと一見敷居が高い感じなのですが、例えば私たちが日頃使っているエクセルにもこうした機能があり、ある程度の量のデータ処理を行う場合、この使い方を知っているのと知らないのでは雲泥の差があります。

また最近何かと話題に上る「ビッグデータ」もまさに、こうした統計処理技術の進歩によって支えられている部分が多く、この技術を低コスト(または無料)で利用できる環境も整いつつありますので、これを利用しない手はないでしょう。

 

もちろん実際にはデータ解析によって、当初望んだような結果が得られないこともあります。

これは「Garbage-in Garbage-outの法則」で表現されるような元データ自体に何らかの問題がある場合や、測定精度など定量化の方法に問題がある場合、仮説モデル自体に問題がある場合など様々な理由がありますが、解析の結果が当初期待していたものとは違うという事は、まだ見切れていない部分が存在するという事をデータが語りかけているという事で、これによって改善のサイクルがまた次の段階に進む事でもあります。

何れにしても、今までは巨大なデータの山を前にして手の付けようがなかったケースでも、この山を切り崩して重要な情報を掘り起こす道具がありますので、心配なく定量化を進めて行く事が出来ることだけは強調しておきたいと思います。

 

ただ、これまで述べてきた事と一見矛盾するのですが、どれだけ定量化を進めても定量化しきれずに残る部分があるのも事実です。

例えば現場の空気感や臭い、設備の異音、メンバーの士気のようなものが雰囲気に滲み出している場合があり、これらの数値化できない空気のようなものが重大な問題点を語りかけてくる事も少なくないのです。

改善を行うためには様々な技術を駆使した定量化と解析のサイクルを回し続ける事と同時に、現場に漂う空気感を嗅ぎ分ける嗅覚の様なものが必要で、今後どれだけ技術が進んでも、現場から離れたところでは改善は進まないのではないかとも感じています。

 

最終的には定量化によって得られるデータとその処理、および現場に立ったときに感じる空気感から真の問題点を抽出する、いわゆる“勘”のようなものも必要で、それを磨くためにはやはり多くの現場での改善を積み重ねるしかないと感じています。